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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞、オレンジカウンティ記者団協会の調査報道賞などを受賞。ジャーナリズムコンテストの審査員を務め、アメリカの大学生や高校生にライティングやジャーナリズムの指導も行う。

2009年8月14日

スポーツ界にあふれる無意味な数字

データはスポーツを観る者にとって欠かせない要素である。

選手の能力を測るだけでなく、一つの競技において、過去と現在を結ぶ唯一の手段であるともいえる。2004年に262安打を達成したイチローとジョージ・シスラーの記録がよい例である。

しかし、残念なことに、スポーツ界に広く普及しているデータには、選手の実力を正確に反映していないものが数多くある。むしろチームの経営や采配に悪影響を及ぼしている数字もあるくらいだ。

例えば野球の打点。三冠王のカテゴリーともなっているこの指標は、打者の能力以前に、ランナーがいるかいないかが大きく影響する。出塁率の高い打者や俊足ランナーを抱えるチームのクリーンナップが有利なのは明らか。

チー ムメイトの能力に左右されるという点では、得点(打者が本塁に帰還する回数)や投手の勝敗成績も同じだ。最優秀投手を選ぶ際、何勝を挙げたかということがよく引き合いに出される。しかし、10点許そうが、ヒットを20本与えようが、自チームが勝てば勝利投手というのではあまりに馬鹿げている。

そ して最悪なのはセーブ。チームが3点勝っている九回の場面にクローザーが登場し、2点を許してもセーブはつく。一回に2点を許すというのはピッチャーとし ては悪い内容である。打点や得点は、少なくともチームに貢献した結果だが、セーブはチームに悪影響を与えた選手がプラスの成績を得るという、とんでもないデータ なのだ。

セーブやクローザーという考えが普及した現在、ベンチの采配がそれらに支配されることすらある。最高のリリーフ投手を、九回表、3点差で勝っている場面では使うのに、セーブがつかないから七回に同点満塁の場面では使わないという のは、あまりにもったいない。勝敗の分け目となる最も重要な場面を抑えるというのが、本来の救援というものではないか。

現在守備力の指標として用いられているエラーや守備率は、守備範囲や肩の強さを一切考慮していないので、実用性はゼロに近い。打率、安打数、防御率といった数値でさえ、他のデータと合わせて考慮しないと、判断を誤ることもあるので注意が必要だ。

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