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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞、オレンジカウンティ記者団協会の調査報道賞などを受賞。ジャーナリズムコンテストの審査員を務め、アメリカの大学生や高校生にライティングやジャーナリズムの指導も行う。

2009年10月14日

子を見て親が分かるのは日本人だけ

楽天・野村克也監督が、首脳陣批判を行ったトッド・リンデン外野手を登録抹消した。リンデンは同監督に謝罪したが、事態は悪化。

「目を見りゃわかる。心から謝っていないよ。“その目は何だ”と言った。ダメ、反省の色はない。もう、フロントにげたを預けた」と野村監督は言う。(サンケイスポーツ記事より

リンデンがTシャツにハーフパンツとラフな服装で謝罪に訪れたこともいい印象を与えなかっただろう。しかし問題の本質は、日米の文化的差異にあるように思われる。

反省の意を示す際、日本人がうつむき加減になる一方、アメリカでは相手の目を正視するのが普通。リンデンのその視線が野村監督に反抗的だと受け取られた可能性は十分ある。「目を見りゃわかる」のは相手が日本人の場合にとどめておく方がいいのかもしれない。

野村監督が「日本では“子を見れば親がわかる”というんだ」と説教し、リンデンが"逆ギレ"したとも報じられている。「親の顔を見てみたい」というのは 日本ではよく使われる言い回しだが、アメリカでは説教をするのに親を引き合いに出すことはない。上司が部下を諭す場合であっても、それは無作法である。家族をバカにするというのは、アメリカでは最大の侮辱に当たる。野村監督の発言が直訳されたとしたら、リンデンが怒り出すのも無理はない。

リンデンが心から反省していたかは分からないが、文化的な誤解によって関係に歪みが生じたのであれば、修復の余地はあるだろう。通訳にとっては腕の見せ所である。

ところで、日本のマスコミが外国人選手に対し、依然として「助っ人」という表現を用いているのには首をかしげざるをえない。イチローや松井がアメリカでそんな呼ばれ方をするだろうか。「助っ人」という言葉には、正式にチームやコミュニティの一員ではないという含みがある。日本に住む外国人がどれだけ疎外感を感じているのか、一度考えてみてほしい。

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