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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞、オレンジカウンティ記者団協会の調査報道賞などを受賞。ジャーナリズムコンテストの審査員を務め、アメリカの大学生や高校生にライティングやジャーナリズムの指導も行う。

2010年1月14日

アメリカにも存在する下積み時代

報道部への異動が決まってから一ヶ月近くが経つが、未だスポーツ部にとどまったままである。

ようやく新しいスポーツ編集長が決まったものの、後任のスポーツ記者を二人雇わなくてはならず、とても抜けられる状態ではない。しかも紙面レイアウトができる人材は限られているため、毎日デスクワークに追われている。一日も早く後任が決まってほしい。

薄給にも関わらず、スポーツ記者のポジションに対して全米から数十の応募があった。中には日刊紙でスポーツ編集長をしていたような人も応募していて、新聞不況の現実が伺い知れる。大学新聞で熱心に活動していた新卒(recent graduates)も多く、彼らはジャーナリズムに情熱を持ち、目標も高い。学生新聞は金銭問題を気にせず、ジャーナリズムの理想を追求できる素晴らしい環境である。

しかし、現実はそう甘くない。新卒記者が働き始めるうちのような小さい地方紙では、大学新聞で扱うような大きな スポーツイベントばかりを取材する余裕はない。プロや大学スポーツの取材というのは実は楽なもので、冷暖房の効いた記者席でのほほんと試合を見ながら、 チーム側から提供される詳細なデータを元に記事を書くことができる。そんな待遇に慣れてしまった新卒記者が、観客などほとんどいない高校サッカーの取材に行かされて、ギャップに苦しむということはよくあること(アメリカでのサッカーの注目度は低い)。

実力主義のアメリカと言えど、下積みは求められる。華やかなメジャーリーグやNBAとは程遠い地味なスポーツイベントを情熱を持って取材できるか。ベテラン記者が嫌がるようなデスクワークを進んでこなせるか。そこでの姿勢で真の情熱が確かめられる。

アメリカのある実業家が、本当に好きな仕事であれば、新米に任せるような雑用でも楽しんでやれるのだと著書で述べていた。メジャーリーグだろうが、リトル リーグだろうが、スポーツはドラマにあふれている。無名のアスリートたちから、共通項や特異性を導き出すところに、スポーツジャーナリズムの魅力があるのだと思う。

若くて野心のある同僚が入ってくるのが、今から楽しみでしょうがない。

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2 件のコメント:

  1. 「本当に好きな仕事であれば、新米に任せるような雑用でも楽しんでやれる」

    ほんとうだね。
    うん、ほんとうにそうだ。

    転職を考え始めたの。
    また今度話きいて:)

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  2. 話ならいつでも聞くよ。あまり深刻になりすぎないように。

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