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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。住宅バブル崩壊が南カリフォルニアに与えた影響を調査したシリーズ記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。

2010年1月9日

日本語版ウィキペディアの問題点

今やウィキペディア(Wikipedia)はちょっとした調べものから、執筆に渡るまでなくてはならない存在である。

高校時代にパソコン用の百科事典CD-ROMを買って、その情報量に驚いたが、今やその何百倍もの情報がタダで手に入る時代になった。しかも日々その量は増えている。

人文・社会科学や自然科学といった専門知識はもちろんのこと、犯罪事件やテレビ番組の各エピソードなど最新の話題までタイムリーにアップデートされる。特に英語版は知りたいことでウィキペディアに載っていないことの方が少ないのではないかと思うくらい充実している。ボクも取材に行く前に、ウィキペディアで基礎知識を得ることが多い。

しかし、英語版と日本語版のウィキペディアを比べてみると、日本語版の質が低いことに気づかされる。項目数の違いは、英語人口と日本語人口では比べ物にならないので仕方がない。だが情報の信頼性という点でも日本語版は大きく劣っている。

評論家の池田信夫氏も述べているが、日本語版には単に英語版のダイジェストを翻訳したものも多く、オリジナルのエントリーにはソースが不明の記述や、中傷・荒らし合戦の結果、内容がほとんど削除されてしまったものが見受けられる。

試しに英語版と日本語版の両方で「日本(Japan)」についてのエントリーを比べてみたが、日本語版の方が情報量が多いのに、脚注のソース数は148対 108と英語版が上回っていた。米国では新聞や雑誌、専門家が惜しみなくインターネット上に情報を公開するが、日本では未だ匿名の情報や企業広告ばかりが蔓延しているのが一つの要因だろう。出元の分からない情報ほど怖いものはない。

英語版も問題がないとは言わないが、議論の盛んな特定の分野を除いて、情報の信憑性は百科事典とあまり変わらないというのが、共通認識となってきている。ちなみに、ウィキペディアの信憑性についてのエントリーもある。

明らかな誤訳も多く、ボクも最近ではブログに日本語版エントリーへのリンクを貼るのをやめた。

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