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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞、オレンジカウンティ記者団協会の調査報道賞などを受賞。ジャーナリズムコンテストの審査員を務め、アメリカの大学生や高校生にライティングやジャーナリズムの指導も行う。

2011年1月9日

レーシックのキセキ

年明け早々に、レーシックを受けた。両目でわずか20分足らずの手術だったけど、一日経って目を開くと、かれこれ15年近くもお付き合いしてきたぼやけた世界とは、全く別世界が広がっていた。昨日は天気が良く、アパートの窓からは、深い青空とサン・ガブリエル山脈の境界線がくっきりと見渡せた。

今のところ、コンタクト装着時と同じくらいか、もしくはそれ以上にまで視力が回復している。視力が完全に安定するまでには、3ヶ月近くかかるとのこと。このまま順調にいってくれることを願う。(ちなみにアメリカでは視力表示が日本と異なる。20/20が1.0にあたるらしいが、未だしっくりこない。)

以前から眼球体操や視神経マッサージなどの視力回復に取り組んできたが、レーシックは値段が高く、目にレーザーを当てることへの恐怖心もあって、現実的な選択肢には入っていなかった。でも、レーシックを受けた同僚や弁護士たちが、口をそろえて「人生が変わった」と言うので、昨年末とりあえず検査を受けてみることにした。

ハイデザートにはレーシックを行っている眼科がないため、オンタリオという町のレーザー視力矯正センターを訪ねた。一時間ほどの検査を行った結果、視力がある程度のところで安定していて、角膜も厚いので理想的な候補者だとお墨付きをもらった。日本円にして40万円と手術費は安くはないが、いつかは受けるのであれば、数年を無駄にせずにすむと自分に言い聞かせ、最先端の手術を受けることにした(イントラレーシック/PRKというらしい)。

幸いにも、かかりつけの眼科医が矯正センターと提携していたので、手術前後の検査を自宅の近くで行うことができた。手術の二日前に瞳孔径測定を行い、半日ほど両目が光に敏感に反応していた。

手術当日と翌日は休みをもらうことができたが、前日は仕事がたてこんで、手術は頭の片隅に追いやれらていた。おかげで余計な緊張は避けられた。

当日は運転して帰ることができないので、ルームメイトに矯正センターまで送り迎えを頼んだ。連れ添いは手術の様子を窓ガラスごしに見ることができるのだが、ルームメイトは恐れをなして控え室で待つことに。

スタッフの説明では、一人の医者が一日に17件もの手術を行うという。片目あたり10分弱なので、かなり儲かる商売に違いない。

客を脅かさんばかりの表記がしてある同意書にサインをし、手術費用を払った後、手術室の近くにあるソファに座って順番を待った。

ようやく順番がやってきて一台目の機械の下に横になると、はさみのようなもので眼球を固定され、「トータル・リコール」のシュワちゃんを思い出した。そして機械から発射される光を見ていたら、突然目の前が万華鏡状態に。看護師さんに次の台に移ってくださいと言われ、立ち上がるものの、目の前が曇って何も見えない。

「見えますか」と聞かれ、「見えるわけねーだろ」と言い返したかったが、待合室で看護師さんが美人だったと耳にしたため、とりあえず平常を装い、「いや、全く見えないんですが」と応えた。すると美人(だという)看護師さんが手をとり、次の台まで案内してくれた。気分は一瞬で、シュワちゃんからラッキーマンへと変わった。

二台目の機械に移ると、ついにレーザー光線が照射された。目で緑色の光を追うだけで、レーザー自体は見えず、照射音と焼け付くような匂いが漂ってきた。コンピューター制御になっているらしく、レーザーが狙っている箇所からずれると、動作が止まり、そこからすぐに再スタートできるという。信じられない精密さだ。

レーザーが終わると、手術医がはけらしきようなもので眼球をなでているのが見えた。何も感じないので、自分の目とは思えない違和感があった。医者と看護師が談笑しているのが聞こえてきて、緊張が和らいだ。

手術直後に目を開けると、プールの中にいるようにぼけてはいるが、手術前より断然遠くが見えるようになっている。直後の検査によると、毛細血管に若干の出血が見られたものの、問題なしとのこと。その日はすぐに寝て、できる限り目を閉じているようにと言われた。

ゴーグルを着けてルームメイトの車に乗り込み、乗車中はずっと目を閉じていた。家に着いてIn-N-Outのハンバーガーとフライドポテトをむさぼり、マットレスに横になった以降の記憶はなく、15時間ほど眠り続けた。睡眠薬を生まれて初めて飲んだが、絶大な効果である。

翌朝起きて、外の景色を確認したときは、はしゃぎたくなったというよりは、懐かしい感覚にとらわれた。こんなにモノが見えるのは、小学生以来かもしれない。

しばらくはこの感覚に慣れると同時に、目を酷使しないよう注意しなくては。

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