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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。住宅バブル崩壊が南カリフォルニアに与えた影響を調査したシリーズ記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。

2011年1月24日

裁判取材の精神的負担

せっかくの週末なのに、熱が出て家に引きこもり状態。

ようやくホリデー気分の抜けた弁護士たちが、本格的に仕事に復帰し始めたせいか、裁判所が慌ただしい。水曜日から金曜日まで裁判所に缶詰めだった。一日に三、四つの審理を傍聴・取材し、5時近くにオフィスに戻って締切りまでに記事を書くという生活。休憩を取る暇もない。

しかも、毎日のように刑宣告があったので、被害者家族のスピーチや被告人とその家族の別れに立ち会わなければならなかった。

事業に失敗しお金に困って、全米中で偽造割引券を使って数万ドルを稼いだ65歳の男性は、懲役16ヶ月を言い渡された。手錠をされる直前に、結婚指輪をとって弁護人に渡し、涙を流す妻にレール越しにそっと別れの言葉をささやいていた。わずか数メートルながら、二人にとっては奈落の底くらい深い溝だっただろう。

未成年の教え子と性的関係を持った罪を認めたフィリピン人の高校教師は、重罪確定による国外追放の可能性を弁護人がきちんと伝えなかったとして、司法取引を無効にするよう判事に訴えた。約4時間に及ぶ主張は却下されたが、判事は最長365日の刑を364日に下げた。被告人の新しい弁護人の主張だと、懲役365日以上を宣告された外国人は自動的に国外追放になるとのこと。

宣告後に開示された裁判書類によると、17歳の被害者生徒が被告人に恋をしてしまったらしい。女の子は先生と性的関係を持ったことを否定し、今でも友人関係だと述べている。

法廷というのは、被告人にとって一生が決まる場。たとえ罪を犯した者であっても、誰かが苦しむ姿を見るのは辛い。だから審理の直前や最中に、弁護士や判事たちが談笑する光景には今でも違和感を覚えずにはいられない。

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