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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。住宅バブル崩壊が南カリフォルニアに与えた影響を調査したシリーズ記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。

2011年8月14日

公選弁護局がiPadでコスト削減と仕事の効率アップ

サンバーナディーノ郡の公選弁護局が、完全なペーパーレス化に向けてiPadを導入。ビクタービルの裁判所でも、弁護士全員にiPad 2が配られた。

公選弁護士は、一日に20人以上もの案件を扱うこともざらで、これまで大量のファイルを抱えながら裁判所を歩き回らなければならなかった。それが今ではスマートにiPadだけを持って仕事をする弁護士も多い。

右がこれまでのスタイル。左は今回のシステムを考案したキャンティ公選弁護人。

iPadを配るだけでなく、情報の流れを一元化する独自のシステムも考案。しかも、役所や大企業にありがちな、一千万円以上もするデータベースを、専門家に頼んで数年かけて作ってもらうのではなくて、パソコン好きの二人の弁護士たちが、誰でも買えるアプリだけを使ってわずか数ヶ月で実現させた。使ったのは、PDF Expert(850円)Dropbox(無料)だけ。

事務員たちがスキャンしたPDFデータを、Dropboxを使って交換し、サーバーにアップにアップするというシンプルな手順。あまり機械に慣れていない弁護士たちも、すぐに順応している様子だ。

かかった総費用12万3千ドル(約940万円)のほとんどは、郡で働く100人以上もの公選弁護士に配布されたiPadの代金。

郡が財政難に苦しむ中で導入に踏み切ったのは、長期でのコスト削減が大きな理由。取り扱った案件の書類は全て保管しておかなければならないので、紙だと倉庫代がばかにならない。全てデジタル化してしまえば、ファイルを作るための文房具代や人件費も節約できる。

しかし、弁護士たちにとっては、iPadを活用することで、被告人によりよいサービスが提供できるという期待の声が何より大きい。情報の検索や交換が、紙の書類に比べてスムーズに行えて、待ち時間を有効に活用できるのだという。

ボクの記事を読んだ他郡の公選弁護局や弁護士たちからも、問い合わせが来ているという。iPadやiPhoneはセキュリティーがしっかりしているので、これからも独自のシステムを考えだす組織が増えてくるのではないかと思う。

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