自己紹介

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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政やアジア移民に関する調査報道を担当。数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。2012年には、住宅バブル崩壊が南カリフォルニアに与えた影響を調査したシリーズ記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。

2012年12月21日

愛を伝えよう



近くの高校に出向いて、ティーネイジャー間のドメスティック・バイオレンス(DV)について学生たちの本音を聞いてきた。二年前に、被害者にインタビューしてDV関連の記事を何本か書いたのがきっかけで、地元の非営利団体とつながりができ、先週も被害者を保護するシェルターを訪れた。

日本ではDVが家庭内暴力と訳されることからも、夫婦間の問題だと考える人が多いが、恋人間でも同じような虐待は起こる。DVでは、一方が相手を独占したいという気持ちを愛情として押し付けることで、パートナーを支配しようとする。恋人が異性と仲良く話しているのを見て嫉妬し、やめるように促したり、暴力を振るったりするのはその典型だ。ありのままの相手を尊重し合える関係が健常なのだと、DVのカウンセラーはいう。

初めてこの問題を取材した時、自分にも加害者行動で思い当たるふしがあり、罪悪感が湧いた。でも問題に気づけたことは、その後の恋愛に役立った。気づき(英語ではawareness) 、そして素直に認めることが問題解決の出発点だ。

今朝の取材では、高校生たちと椅子を円に並べて座り、ディスカッションを行った。

アメリカ人のティーネイジャーたちは、日本人の同世代に比べて、恋愛観が発達している。もちろん個人差はある。それでも、多くの学生は自分たちの恋愛感情や関係を、親や友達にオープンに話す。校内を見渡しても、あちこちでカップルが手をつないだり、キスをしたりしている。ボディーランゲージや言葉で感情をストレートに表現して、たくさんの恋愛を重ねることで成長するのだろう。

今回のディスカッションに参加してくれたクラスでは、「I love you」を意味する手話を使って、クラスメートに「あなたのことを想っています」と伝える決まりになっている。恥ずかしそうに自分の恋愛の失敗談について話す男の子に、クラスメートたちが手話サインを送って励ます光景は、まるで映画のワンシーンだった。

好きな人に愛情を伝えることの大切さを、アメリカで暮らすうちに学んだ。

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2012年12月17日

いまだにガイジン扱いの外国人選手


スポーツ新聞のプロ野球記事を読んでいると、ボクが日本にいた7年ほど前と、日本人の国際感覚がさほど変わっていないのだと感じてしまう。


今も昔も、日本でプレイする外国人選手たちは、「助っ人」と呼ばれる。この表現は、彼らがチームの正式メンバーではない、一時的な存在であることをほのめかす。会社でいうところの「ハケン」のようなものだ。

日本に住む外国人の友人たちは、日本人は親切だけど、彼・彼女たちをいつまでもお客さん扱いして、日本人と同じようには扱ってくれないと口にする。見た目や生まれ育った環境が違っていては、どんなに努力しても「日本人」にはなれないということなのだろう。

アメリカでイチロー選手が助っ人などと呼ばれることはない。日本人だろうが、あくまでヤンキースの一員として扱われる。ボクもアジア人が一人だけの今の職場で、よそ者扱いされたことはない。同僚たちと対等の一記者である。

正直言うと、ボクもアメリカに来た当初は、自身を含めた米国外からやってきた移民や他国籍の人間を、米国籍の人間とは別のカテゴリーとして無意識のうちに区分していた。日本で生まれ育ったことで、そうした感覚が染み付いていた。でも、他国で生まれ育ったことに興味をしめしつつも、お客さん扱いをしないアメリカ人の姿勢に徐々に慣れてきた。

日本人の通念を崩すためにも、まずは「助っ人」という呼び方をやめてはどうだろうか。

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2012年11月8日

大統領選挙の運命を決めた「少数派」

統計ギークたちの予想通り、オハイオ州を獲得したオバマ大統領が再選を果たした。(まだ結果の出ていないフロリダ州でオバマ氏が勝てば、全50州でネイト・シルバー氏の予測が的中したことになる。)

上院では民主党が議席を伸ばしたものの、下院では共和党が過半数以上を維持したため、結果としてはねじれ議会の現状が維持された。オバマ大統領が、二期目にどれだけ議会の協力を得られるかに注目が集まる。

今回の米大統領選挙で感じたのが、選挙人口構成の変化である。2000年と2004年にブッシュ大統領を当選させる原動力となったのは、人口の20パーセントを占めるといわれる保守的キリスト教信者たち(Evangelical Christians)。2010年には、ティーパーティー運動が共和党の下院選挙での勝利に貢献した。

ところが今回の上院選では、共和党の予備選挙で勝利を収めた保守派候補たちが、本選で中道派の投票者に嫌われて、民主党候補に負けてしまうという事態が起こった。経済に関しては、小さな政府を目指す保守派政策が独立派に支持を得られても、中絶や同性愛といった社会問題に関する保守派の主張は、女性や若者から敬遠されてしまう。

それに対して民主党は、ヒスパニックや黒人といった少数派に加え、女性や若い有権者などから幅広い支持を受けた。オバマ陣営は、選挙終了ギリギリまで、投票率が低いと言われる人種マイノリティの多い地区に出向いて投票するように促し続けた。

テレビに映っていたロムニー氏の陣営本部が、お洒落な格好をした白人でいっぱいだったのに対し、オバマ大統領の本部は、多様な人種と年齢層の支持者が入り交じっていた。マイノリティの人口は増える一方だし、有権者の半分以上を占める女性から敬遠されたら話にならない。共和党は、今後いかに支持層を広げられるかが課題である。

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2012年11月7日

アメリカの将来を決める議員選挙

大統領選挙ばかりが注目されがちだが、今日は全米の地方選挙も行われた。

うちの新聞も、地元の下院・上院議員はもちろんのこと、郡の行政官、市議会議員、教育委員の選挙まで朝刊に載せるするため、報道局は締め切りギリギリまで粘って作業をしている。(ボクは朝のシフトを任されていたため、既に帰宅してのんびりとニュースを見ている。)

誰が次のアメリカ大統領になるかが、世界の動向に大きな影響を及ぼすのは間違いないが、それと同じくらい重要なのが連邦議会議員選挙である。


この四年間は、議会のこう着状態がアメリカに深い傷あとを残した。両党がお互いに一歩も譲らないことで、予算法案がなかなかまとまらず、米国債の格下げをまねいた。ティーパーティー運動やウォール街占拠運動で表面化したように、国内で右派と左派の両極化が進んでいるのが原因である。

大統領は議会の協力がなければ、選挙でかかげた公約はとても実現できない。大統領や他党議員と力を合わせて国を運営していくことのできる中道派議員が、どれだけ当選できるかが経済回復の大きなカギとなる。

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2012年11月6日

マネーボール旋風が政治に?


米大統領選挙が明日に迫った。世論調査や大手メディアの報道だけを追っていると、接戦だという印象を受けるが、統計学を使って独自の予測をしているギークたちの間では、オバマ大統領が優勢との見方でほぼ一致している。

最新の全米世論調査では、オバマ大統領とロムニー氏の差は1、2パーセントポイント程度。しかし、アメリカの大統領選挙は選挙人団制度を取り入れているため、各州で勝った候補が、その州の選挙人を全て獲得する。だから、総得票数で上回った候補が勝つとは限らない。

アメリカには50の州があるが、勝敗を決めるのは、民主党や共和党のどちらが勝ってもおかしくないswing states(揺れる州)と呼ばれる州である。今回はオハイオやウィスコンシン、ネバダ、アイオワなどの州が勝敗の鍵をにぎると言われている。

データギークたちは、数十もの世論調査の結果を総合して、それぞれの州で支持率の平均をはじきだす。それを過去の統計データと比較して、各候補の勝率を計算する。各世論調査ではほとんど差のないswing statesでも、サンプル数を増やすことで、より正確な確率が導き出せるとの考えだ。

選挙の統計的予測で有名なのが、ニューヨーク・タイムズに寄稿するネイト・シルバー氏。彼はセイバーメトリクスと呼ばれる野球の統計分析で名を馳せた後に、政治アナリストに転向した。2008年の大統領選挙では、50州中49州での勝者を的中させた。選挙前日の予想では、最も重要なオハイオ州で優勢なオバマ大統領が、90パーセント以上の確率で勝つという

前回の選挙では知る人ぞ知る統計的予測だったが、今回はメディアにも大きく取り上げられて、一般大衆からも注目を集めている。その注目度ゆえに、経験や”勘”を重んじる古参の政治アナリストたちからは、強烈な批判を浴びている。映画「マネーボール」を見た人は分かると思うが、セイバーメトリクスも10年ほど前にメジャーリーグで同じような扱いを受けた。

大統領選挙がメジャーリーグと違うのは、本番が4年に一度しか行われないこと。シルバー氏は必ずオバマ大統領が勝つと宣言しているのではない。オバマ大統領がロムニー氏に勝つ確率は、サイコロを振って1から5までの数字が出る確率と同じくらい。だからどっちかに金をかけろといわれたら、オバマさんにかけると言っているのである。もちろん6が出る確率も十分にある。

それでもシルバー氏の予想が外れたら、政治アナリストたちは待ってましたとばかりに、彼を叩くだろう。今回の選挙は両候補だけでなく、データギークたちにとっても命運を分ける戦いとなる。


ネイト・シルバー氏のインタビュー

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2012年9月17日

国外デモに悩まされる日本とアメリカ

中国での大規模反日デモが日中関係を悪化させている一方、中東各地で勃発している反米抗議運動が、アメリカ人を震撼させている。

デモのきっかけは、イスラム教の預言者ムハンマドを揶揄したYouTube映像。リビアでは、武装集団がアメリカ領事館を襲撃し、大使を含む四人を殺害した。米国内の世論は、こうしたデモに軍事介入で対抗しようとする強硬論と、協調路線を貫こうとする和平論とにわかれている。

11月に行われる米大統領選挙では、これまで国内経済が主な争点だったが、両候補とも今後の外交政策を軽視できない状況となった。当然ながら、ロムニー共和党候補や保守陣営は、オバマ大統領の軟弱な外交姿勢が、リビアでの襲撃事件につながったと批判している。

しかし、多くの専門家は、両候補の打ち出す外交政策に大きな差はないと見ている。リベラル派の中には、オバマ大統領の軍事活動が強硬すぎると懸念する者すらいる。

クリントン米国務長官は、問題となったYouTubeの映像を「不愉快で非難されるべき」と批判しながらも、表現の自由を侵害するわけにはいかないと述べた。アメリカ社会の根幹にあるこの理念を、中東でデモを行う過激派に理解してもらうのは難しい。文化や価値観の違いが、問題をより複雑にしている。

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2012年6月21日

ホームレス家族に密着取材

ビクタービルの公園にテントを張って寝泊まりしている、ホームレスの家族に密着取材を行った。両親は差し押さえで家を失い、子ども7人を連れて、モーテルと公園とを行き来している。




一番下の子どもは8ヶ月で、10歳の長男は、父親が13歳、母親が14歳の時に産まれた。父親は不況の影響もあって仕事が見つからず、日中は食料やお金の調達に奔走している。生活補助は受けているが、7人の子どもを養うにはとても足りないという。

家族の暮らす公園は、単なるホームレスだけでなく、釈放された重犯罪者や性犯罪者がたむろす河原の対岸にある。僕らがいる間も、何人もの浮浪者が横を通ってこっちを眺めたり、奇妙な叫び声を上げたりしていた。

Facebookのマーク・ザッカーバーグが28歳で1兆円以上の資産を稼ぐ一方で、日々の食べ物に困る子どもたちがいるのが、アメリカという国。シリコンバレーが陽であるとすれば、ビクタービルは陰の部分である。今日の取材では、一つの家族の人生が、アメリカ社会が抱える問題を凄惨なまでに映し出していた。

新しい服がなくて学校に行くのが恥ずかしいという子どもたちだが、驚くほど純粋だった。僕が日本で生まれ育ったというと、他の子どもたちと全く変わらない笑顔と興味心で、「これは日本語で何ていうの」と何度も聞いてくる。お土産にトランプと日本の小銭を持って、仕事後に再び公園を尋ねると、僕の姿を見つけた子供たちが、満面の笑みを浮かべて走り寄ってきた。



公園のピクニックエリアで夕食を準備する両親にインタビューをしながら、子どもたちにトランプを教えたり、一緒にバスケットボールをして遊んだりした後、車に乗り込んでふと不思議な感覚にとらわれた。クーラーの効いた買ったばかりの車で、電気もガスも使えるアパートに帰って、肉と野菜がたっぷりの食事を食べる自分の生活が現実味を失ったのである。

ニュースや文献を読んで理解していたつもりだった貧困という問題を、初めて現実として突きつけられたからだろうか。この気持が残っているうちに、記事を仕上げなければ。


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2012年6月20日

世界で最も稼いだアスリートは?


米フォーブス誌がアスリートの収入ランキングを発表した。

この一年間で最もお金を稼いだアスリートは、ボクサーのフロイド・メイウェザーで、2001年からトップを走り続けたタイガー・ウッズを退けた。物議を醸す発言で、ボクシング界以外からも注目を集めているメイウェザーの収入は、8500万ドル(68億円)。彼は自分の設立した会社でプロモーションを行なっているため、仲介料を払わないですんでいる。

第二位は、同じくボクサーのマニー・パッキャオで、6200万ドル(49.6億円)。疑惑の判定で、7年ぶりの黒星を喫してしまったが、最近では、テレビのCMでフィリピンの英雄を見かけることも多くなった。

第三位ウッズの総収入は、昨年から1600万ドル減の5940万ドル(47.5億円)で、2009年のピークからは半減している。USオープンでは、最後になって崩れてしまったが、今年の成績だけ見れば、未だ世界でトップ選手の一人である。最盛期が凄すぎた。

NBA選手のレブロン・ジェームズが第四位で、現在行われている決勝戦で優勝すれば、一気に収入が増える可能性もある。

日本人最高は、39位のイチローで、2400万ドル(19.2億円)を稼いだ。約700万ドルが、日本からの宣伝広告料だという。

女性では、テニスのマリア・シャラポワ(2790万ドルで26位)と、2011年の全仏オープンで、男女を通してアジア人初の四大大会優勝を果たした、中国のリー・ナ(1840万ドルで81位)がトップ100入り。

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トートバッグを嫌うアメリカ人男性


日本人に比べて、アメリカの男性は、バッグを持たない。出かける時は、財布や携帯電話、鍵等をポケットに突っ込むだけ。カード文化が進んでいるので、マネークリップを使ったり、クレジットカードと免許証を輪ゴムで止めたりする人も多い。

ショルダーバッグやトートバッグを使うのは、女性やゲイ、もしくはヨーロッパ人だという偏見が根強い。男性が肩から小型のバッグを下げていると、man purse(男性ハンドバッグ)と呼んでからかわれるので、アメリカ人男性はちょっと荷物が多いと、バックパッカー並の巨大リュックやボストンバッグを持ち歩く。ちなみに、ニューヨークやサンフランシスコといった文化都市に暮らすお洒落な男性は、メトロセクシャルと呼ばれ、彼らはヨーロッパや日本人に近い格好をしている。

偏見はくだらないが、荷物を減らすという発想は悪くない。iPhoneのおかげで、カメラやメモ帳、本や地図などを持ち歩かなくてすむようになった。最近は、Malcom Frontierというアメリカの会社が出しているMojitoという財布を使っている。数枚のカードと折りたたんだ紙幣がやっと入るサイズがゆえに、何から何まで詰め込むという足し算ではなく、必要最小限以外を取り除くという引き算の発想を実践できる。シャツの胸ポケットに入れても気にならないのは便利。

カードが6枚だけ入るMojito。日本からも注文できる。

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2012年5月29日

最高に楽しいプロポーズ

大学時代の友だちの結婚式に出席して以来、R&BデュオのK-Ci & JoJoが歌う、「All My Life」という曲にはまっている。アニメ好きのオタクでひ弱だが、最高に優しい新郎が、運命の女性と、この曲でファーストダンスを踊っているのを見て、思わずひたってしまった。



前にも書いたが、こっちのカップルは、プロポーズの様子をおおぴっらにする。人目をはばからず、ストレートに感情を表現するアメリカ人のプロポーズには、他人が見ても感動したり、楽しくなったりするようなものがある。

最近、YouTubeで話題になっているのが、次の動画。プロポーズを受ける女性が乗った車がゆっくりと移動し、60人以上もの家族や友だちが、道ばたでダンスを踊る。女性が着けているヘッドフォンに流れている音楽は、ブルーノ・マーズの「Marry You」で、君と結婚したいというフレーズが、プロポーズにぴったり。投稿から三日間で既に500万回も再生されている。



同じコンセプトで、一世を風靡したのが下の動画。これはプロポーズではなく結婚式だが、新郎と新婦の入場を、クリス・ブラウンの「Forever」に合わせてダンスで行う。



テレビ番組も、この流れに便乗。大切な人にフラッシュモブで思いを伝えようというのが、「Mobbed」というリアリティ番組。初回の放送では、ロサンゼルス近郊のショッピングモールを占拠して、大掛かりなプロポーズを演出した。



単に格好つけるのではなく、仲間と一緒に楽しくというのも、ロマンチックである。

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2012年5月28日

ビクタービル戦争最前線


メモリアルデーの週末に、ビクタービルで行われている、北米最大規模のエアソフトガン大会を取材してきた。ライオンクロー作戦シリーズという団体が主催する戦争シミュレーションゲームで、世界中から800人近くの愛好者が集まっている。



戦争シミュレーションゲームを見たのは初めてだが、あまりの凝り方に驚いた。

20年前に閉鎖された、ジョージ空軍基地の住宅地区を貸し切り、無惨に荒らされた160以上もの建物が、市街戦の雰囲気を生んでいる。イラク戦争が真っ最中の頃は、実際に米軍が、同施設を使って訓練を行っていたという。

戦闘服に身を包んだ数百人の参加者が、軍用トラックの荷台に積み込まれて輸送される光景は、本当の軍事訓練にしか見えない。装備にも惜しみなく金をかけており、ほとんどの者がナイフや手榴弾を身につけ、エアソフトなのに、なぜかバズーカを担いでいる兵士も。



アメリカだけあって、参加者の10パーセント程は、現役か退役軍人で、警官も多いらしい。通りには、エアガンを搭載した軍用ジープが行き交い、はてには装甲車までが走っていた。



VIPとして、映画「ブラックホーク・ダウン」に描かれる、モガディシュの戦闘を経験した、ダニー・マクナイト中佐が参加。見た目は単なる痩せたおっちゃんである。

マクナイト中佐

しかし、モガディシュの戦闘では、最も被害の大きかった車輛舞台の指揮官を務め、映画の中では、弾丸の飛び交う市街地を、装甲車に乗って駆け抜けていた。中佐曰く、モガディシュは28年間の軍歴で最もタフなミッションだったそうだ。

「でも悪い日だったとは言わない。兵士たちがやるべきことをやった。我々は最高の仕事をした。犠牲者が10倍でもおかしくはないくらい、難しい仕事だった」という。

そんな中佐に指揮される参加者たちの中には、どう見ても運動不足で、戦場では足手まといにしかならないような太った者、痩せた者たちが、ちらほら見られた。普段はテレビゲームに熱中するオタクも多いらしく、スタッフとして戦闘に参加している、かわいいモデルさんたちと、笑顔で写真など撮っていた。中佐は運動不足の若者が動くのはいいことなどと優しさを見せていたが、これがモガディシュだったら、きっとしばいていたに違いない。



残りの写真はFacebookで。

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2012年5月24日

読者は暇じゃない

経費削減にともない、この4年間で、うちの新聞はどんどん紙面のスペースが削られてきた。記者の数も減ってきているので、何日もかけて長い記事を一本書くより、一日に数本の短い記事を書くことが求められる。数千単語をかけて説明しなければ、面白さや問題の複雑さが伝わらないトピックもあるので、十分な取材時間と紙面スペースがないことに、もどかしさを感じることも多い。

その一方で、伝えたいメッセージを簡潔にまとめる訓練にはなっている。専門家ではなく、一般の読者にとって必要な情報は何か、言いたいことをどうしたら最も少ない単語数で表現できるかということを、常に意識するようになった。

これは、優れた文章の基本でもある。コミュニケーションは、メッセージを受け取る側を思いやることから始まる。特に新聞の読者は、暇ではない。毎朝、仕事に出かける前の数十分を使って、自分の興味ある情報を素早く収集できなければ、読者は離れていってしまう。だから新聞記事を書く基本は、一番大切な情報を最初に持ってくることである。凝った書き出しは、とっておきの記事のためにとっておく。

インターネットのメディアやブログは、新聞や雑誌のようなスペースの制限はないが、冗長な文章を読みたいなどとは誰も思わない。意味がちゃんと伝わるのであれば、10字よりも1字、10行よりも1行、10ページより1ページの方がいいに決まっている。読み手が時間を無駄にしないようにという優しさが、ジャーナリストには必要だろう。

これと反対なのが、大学教育だ。ほとんどの課題は、論文やエッセイを何ページ以上という出され方で、長く書いた人が偉いのである。だから学生は必死になって、同じ表現を何度も繰り返したり、余計な修飾語を駆使したりして、無理に文章を長くしようとする。ボクの大学では、卒業論文が必須だったが、内容はともかく、100ページや200ページの長編を書いた学生が英雄扱いされていた。論文も簡潔にというのが基本なのだから、何ページ以上という課題の出し方を、やめるべきではないか。

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2012年5月23日

アメリカで髪を切ろう

昼休みを使って、行きつけの店で散髪してきた。あまり治安のよくないストリップモールに入っている理容室で、一年以上前に8ドル(630円)という安さにひかれて入って以来、常連になっている。入ってくる男性客に、「Hello, handsome!(色男さん、いらっしゃい!)」といつも声をかける、フランス人のエリザベスという中年女性がオーナーだ。自分にだけ言ってくれているのかと勘違いして、気を良くしていた頃が懐かしい。ボクが行くたびに、やたらに日本人の気質を褒める一方、アメリカ人に対しては、怠け者だと厳しい意見を放つ。

治安が悪いので、表示されているより早く店がしまってしまう。
今日はなぜか、日本語の書かれた散髪ケープを使っていたエリザベス。

こっちに住んでいる若い日本人は、現地の理容室や美容院をほとんど利用しない。自分で切るか、上手な友だちに頼んだり、わざわざ日本人向けに商売をしている店に出向いたりする人が多い。アメリカ人は下手だと決めつける人もいるが、日本とアメリカで流行の髪型が違うといった方が正しいだろう。女性が髪型を気にするのは、両国ともさして変わらないが、日本人男性に比べると、アメリカ人男性は髪型に気を使わない。日本の空港に着いて、トイレの中で鏡を見ながら髪をいじっている男性を見ると、日本に帰ってきたという気持ちがこみ上げてくる。日本で流行している男性の髪型の多くは、こっちの主流文化では、なよなよしいと受け取られる。

郷に入れば郷に従えがモットーの自分は、こっちでも構わずそこらにある理容師を試してきた。エリザベスの人柄と親切さが気に入ってからは、1ヶ月に一回ほど通って、髪型はだいたい彼女におまかせしている。前回のスタイルが気に入ったので、今日はそれと同じにしてくれと頼んだら、彼女は忘れてしまったのか、思い切り短くされてしまった。まるで中学の野球部員である。途中で指摘しようかとも思ったが、「もうすぐ夏だし、いいや」と諦めた。髪のラインを丁寧に剃ってくれたのはいいが、土曜日のマッドランで顔が日焼けしていたので、剃られた部分だけが白くなっていて、まるでカツラをかぶっているかのように見える。これも愛嬌だ。

ただし、髪型を変えるたびに、「その髪型、好きだよ」と声をかけてくれる同僚のゲイのおじさんが、今回は「髪型変わったねえ」としか言わなかったので、少しだけ落ち込んだ。

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2012年5月22日

アメリカならではのマッドラン

先週末は、サンバーナディーノ郡保安官事務局主催のマッドラン(泥沼走)に参加してきた。泥沼がいくつも配置された5キロのコースは、普段は新人警官の養成に使われる施設だけあって、巨大な丘があったりと、かなり本格的なつくりだった。

スタート前の演出も凝っていて、催涙ガスの煙の中にヘリコプターが着陸し、黒いユニフォームに身を包んだSWAT隊員が、ライフルを構えながら降り立った。まるで映画のワンシーンだ。日頃からウェイトトレーニングに励むアメリカの警官はガタイがいい。ボクは普段、彼らの気に入らないような記事を書くこともあるが、あの体格で制服を着られると確かに格好いい。

スタートと同時に巨大な爆発が起こり、参加者たちは歓声をあげながら走り出した。中にはスーツづくめの男性や、ハロウィーンにありがちなミツバチの衣装をまとった女性集団などもいた。

詳しい様子は、参加者たちが撮影したビデオを見てもらうといい。



2ヶ月ほど前にも、ウォーリアーダッシュという障害物走に参加したが、起伏が激しくて泥沼だらけの今回のコースの方が、体力的にはハードだった。前回は頭にカメラをつけて、一緒に参加した仲間をビデオ撮影しながらの完走だったが、今回は運動不足の体にむち打って真剣に走った。

 3月のウォーリアーダッシュにて



泥沼が深くなっているところがあって、足が抜けずに何度も顔からダイブしそうになったが、何とか49分でフィニッシュ。泥だらけの体と服を強力な屋外シャワーで洗い流したが、靴は泥が染み付きすぎて、やむなくリサイクル箱に捨てて帰った。

一緒に参加した仲間と、ゴール後の記念撮影
メインレースの後には、子ども用のレースが行われた。距離は1キロと短いながらも、ラフなミニ四駆のコースを彷彿させた。運動好きの子どもなら、忘れられない経験になるはず。

キッズレース
危険だとか汚れるだとかいう細かいことを気にせず、はしゃいでストレス発散できる機会の多いのも、この国の魅力である。

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2012年5月19日

メヒコバンザイ


冗談ではなく、ボクが米国留学を決めた理由の一つがメキシコ料理である。小学生の時に食べた、タコベルのタコスとファヒータ(どちらも厳密にはメキシコ料理ではないが)の味が忘れられず、いつかまた腹一杯、好きな時に食べたいと、小さな野心を抱いていた。

テネシー州での大学院生活では、一週間に一度はタコベルのタコスを10個くらい買って、一人で平らげていた。テネシーでは純粋なメキシコ料理ではなく、テクス・メクスというメキシコ風のアメリカ料理を食べることが多かったが、メキシコ系移民の多いカリフォルニア州に来てからは、本場の料理を堪能している。

恥ずかしながら、ヒスパニックが人口の半分を占めるビクタービルに4年ほど住んでも、スペイン語はほぼゼロのままだが、そんなことは気にせず、英語の話せない移民の集う小さなレストランや、近所のメキシコ系スーパーに通い詰めている。買い物くらいなら、身振り手振りで何とかなるものだし、得体の知れない食べ物を指差して注文するのも、それはそれで楽しい。お気に入りは、スーパーに置いてあるセビチェという魚介類のマリネで、しょっぱさと酸っぱさのバランスが癖になり、トルティーヤやチップスだけでなく、ご飯にも合う。

近所のメキシコ系スーパー

セビチェ

あまり知られていないが、メキシコの菓子パンやケーキには、日本で売られているのに近いものが結構ある。初めてメキシコ系スーパーに行った時、メロンパンらしきものが並んでいるのを見て感激した。パンが少しパサついているのは、文化の差だと思えば何のことはない。アメリカのスーパーで売っている大味なケーキがだめという人は、ぜひメキシコ系スーパーを試してみるべきだ。

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2012年5月15日

Facebookが切り開く、新コミュニケーション


今日は、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグの28歳の誕生日。Facebookは、金曜日にナスダック証券取引所に上場する予定で、時価総額は1000億ドル(約8兆円)にも達すると言われ、ザッカーバーグの総資産額は180億ドル(約1.4兆円)ということになる。

ボクは、Facebookができて間もない2004年にアカウントを作ったのだが、つい数年前まで、積極的には利用してこなかった。クラスで仲良くなった学生や、旅先で知り合った人と気軽につながりを保てるのは魅力だったが、いかんせんインターフェースの使い勝手が悪く、シンプルなデザインで日記機能が充実したmixiとは対照的だった。

それでもソーシャルメディアは、最後にはユーザー数がモノを言う。当初は、名門大学の学生のみに限られていたFacebookだが、徐々に門戸が開かれ、今や9億人のユーザーを抱える世界最大のソーシャルメディアとなった。日経ビジネスで身売りが報じられたmixiは、会社とユーザーがプライバシーの保護を意識しすぎた結果、ソーシャルメディアの醍醐味である「人とのつながり」が薄れてしまった。

今やアメリカ人にとって、フェースブックはインターネットそのものになりつつある。子どもから大人まで、パソコンやスマートフォンをつけるなり、まずはFacebookを開く。新聞やテレビではなく、Facebookに流れる記事や動画で話題を追い、家族や友だちの近況も、電話などかけずに、つぶやきや写真の一覧でチェック。友だちが結婚すれば、そこに参加する人たちがスマートフォンで写真を掲載するので、すぐにお祝いの言葉をかけられる。子どもや若い人は、Eメールを使わず、Facebookのメッセージ機能でコミュニケーションをとるようになっている。

他のサイトに行っても、Facebookのアカウントを持っていないと、利用できないサービスが増えてきている。例えば、うちの新聞のホームページでは、記事にコメントを投稿するのに、まずはFacebookにログインしなくてはならない。おかげで、匿名での誹謗中傷コメントは劇的に減った。Facebookのアカウントは、ネット上での身分証明になりつつある。

まだまだ使いづらい点の多いFacebookだが、機能だけ見ればより洗練されているグーグルのGoogle+が追いつけないのは、圧倒的なユーザー数の差があるからだろう。たとえGoogle+が機能を充実させても、Facebookはそれを真似ればいいだけ。長距離走で、周回遅れで走るグーグルの真後ろにくっついて走っているようなものである。

日本人ユーザーが増えてきたFacebookでは、自分の書き込みや写真に対して、アメリカ人と日本人の友だちが、異なる言語でコメントを残すことがある。こっちでの同僚や大学院時代の友人と、日本に住む大学・高校時代の同級生が、一つの場に集まってコミュニケーションをとっている光景は、インターネットのない時代を思い出すと、今でも不思議に感じる。

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