自己紹介

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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。住宅バブル崩壊が南カリフォルニアに与えた影響を調査したシリーズ記事で、カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞を受賞。

2014年12月13日

ようやくの雨

オレンジカウンティというと海のイメージが強いが、東部にはサンタアナ山脈がそびえる。

僕の住むランチョ・サンタ・マルガリータもこの山脈の麓に位置する。山の中に入ると、都会の喧騒から逃れようという人々が集落を作って静かに暮らしている。

普段は田舎すぎてあまり注目されない地域だが、山火事や大雨といった自然災害が起こると決まって注目をあびる。

ここ数年、干ばつに悩まされる南カリフォルニアで、冬に入ってようやく雨が降るようになった。恵みの雨と言いたいところだが、山の住民にとっては諸刃の剣でもある。9月に起きた山火事で低木などが燃えて、山肌がむき出しになってしまい、土砂崩れの危険性があるのだ。

山肌の植物が燃えてしまったのが分かる。写真に写っているのが、住民にとって唯一の舗装された道路。
昨日からカリフォルニアが嵐にみまわれているため、サンタアナ山脈でも避難勧告が発令された。僕はサンタアナ山脈が担当地域の一つなので、今朝は7時前から取材に向かった。

住民が何を不安に感じているのか、避難勧告についてどう思っているのかなど生の声を聞いて、それをデスク記者に送る。避難勧告が出ている間は、そこに住んでいる住民でさえ一度エリアを出たら、戻ることは許されない。入れるのは警察や郡の関係者とメディアだけ。カメラマンと二人で雨の山道を進んで、残った住民たちにインタビューをしてきた。

警察が道を封鎖している。

右のカメラマンと一緒に、避難勧告エリアで住民に取材。

オレンジカウンティに引っ越してからの2年間で、まともに雨に濡れたのは今回が初めてかもしれない。トランクに積んであるカッパが干からびていた。

ずぶ濡れになったが、終わってみると快感なのはこういう取材だったりする。記者というと、ずっと外回りでインタビューしているという印象を持たれるが、実はオフィスから電話取材をしたり、インターネットで調べ物をしたり、記事を書いたりしている時間の方が長い。戦場カメラマンならまだしも、都会で働く記者は体がなまって仕方がない。

不安や不都合に悩まされる山の人々には失礼だが、僕にとって今回のような雨は天からの恵みである。

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