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在米ジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスター紙で地域行政や調査報道を担当。アメリカで数少ない日本育ちの報道記者として、他にも現地の司法や経済、スポーツなど幅広く取材。カリフォルニア新聞経営者協会の経済報道賞、オレンジカウンティ記者団協会の調査報道賞などを受賞。ジャーナリズムコンテストの審査員を務め、アメリカの大学生や高校生にライティングやジャーナリズムの指導も行う。

2017年7月9日

ゲームをやって奨学金をもらえるアメリカの大学

6週間の育児休暇を終えて職場に戻りました。

息子とのんびり時間を過ごすのは楽しかったですが、やはり仕事をしていると生活に張りがでます。普段は意識しませんが、家族以外の大人と話せるというのは、実は幸せなことなんですね。

復帰後の初仕事として、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)が、ビデオゲームの競技選手に新たな奨学金を与えると発表したことを書きました。1ヶ月以上、英語でのインタビューや執筆から遠ざかっていましたが、意外と仕事スキルは染みついているものです。

ぼくのような地方紙の記者は、今回のように、いつもは全く取材していない分野の記事をポンと振られることも多い。だから、普段から幅広くアンテナを張ったり、短時間でリサーチして問題点やトレンドをとらえたりする能力が求められます。

大人になってからすっかりご無沙汰しているゲームの世界ですが、スーパーファミコンやドラクエが隆盛を極めていたぼくの子ども時代からは大きく変わっていました。

UCIは昨年、公立大学としては北米で初めてビデオゲーム用の競技施設を学内にオープンしました。学生は、80台ものコンピュータやハード、ゲーム実況用のスタジオなどを使うことができます。



さらに、体育会のアスリートと同じように、eスポーツと呼ばれる対戦型ビデオゲーム競技に参戦している学生に返済不要の奨学金を与えはじめました。

日本ではeスポーツと聞いてピンとくる人は少ないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパ、韓国などでは、数万人の観客を集め、億単位の賞金を稼げる一大ビジネスとなっています。

かつてゲーム大国と言われた日本ですが、ここでもガラパゴス化してきているのです。

UCIはeスポーツに力を入れることで、多様な学生を集め、ブランド力の向上を狙っています。奨学金をだすことで、生徒の学業へのモチベーションアップも見込めます。

Courtesy of Blizzard Entertainment
昨年は、世界で最もプレイヤー数が多いといわれる「リーグ・オブ・レジェンド」の競技者11人に5200ドル(約60万円)の奨学金を支給。秋からは、昨年リリースされた「オーバーウォッチ」をプレイする学生7人にも支給されることが決まりました。

「オーバーウォッチ」は、6対6の対戦型シューティングゲームで、すでに世界中で3000万人以上のプレーヤーがいます。



夏に行われるトライアウトに合格したUCIの学生は、週に15−20時間のチーム練習に参加し、ゲームのランキングだけでなく、学業でも規定以上の成績を残すことが求められます。

運動や音楽、芸術などに秀でている人が学費の援助を受けられるのですから、ゲームに情熱をもやす学生にも同じようなチャンスがあってもおかしくはありません。

世界から優秀な学生が集まってくるアメリカの大学の魅力は、こうした先進的な取り組みにも表れています。

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